2012年12月16日日曜日

ZFSルートシステムのバックアップとリストア

Solaris 11 カルチャーショックの第四弾。

ZFSルートのシステムにおける、システムバックアップとリストアの手順については、Oracleの公式ドキュメントに詳しく記載されているので、そちらを参照して頂くとして、保存媒体をどうすべきかということを考えてみたい。


まず、Solaris 11の前はどのようにしていたかを振り返ってみよう。

PRIMEPOWERシリーズの場合、DATドライブを内蔵していることが多く、ufsdumpコマンドでDATテープにバックアップイメージを保存することが、通常の手段であった。

ところが、SPARC Enterprise Tシリーズの登場後、DATドライブの搭載が出来ない、インストールメディアにテープデバイスのドライバが含まれなくなった等の要因が有り、テープ媒体への保存が最適な手段とは言えなくなった。
取り得る手段は以下のようなものが考えられる。


  1. 運用システムとは別に、回復システムを構築し、バックアップ領域用に搭載したHDDにufsdumpイメージを保存する。
  2. テープドライブのドライバをインストールした回復システムを構築し、外付けテープドライブにufsdumpイメージを保存する。
  3. ETERNUSシリーズを利用したSAN Boot環境とし、ディスクアレイ装置のスナップショット機能(アドバンスト・コピー)を利用する。
実際の運用に用いたことはないが、USB HDDへのufsdumpイメージ保存という手段も利用可能だろう。


それでは、Solaris 11 の ZFSルート環境ではどうであろうか?

まず、上記 1. の手段。
ufsdumpコマンドが利用できないため、zfs snapshot コマンドで代替することになると思われる。
さらに、回復システムが必要かという点も考慮が必要であろう。

では、2. の手段はどうか。
zfs snapshot コマンドが、テープドライブをサポートしない以上、利用することは不可能であり、候補にはなり得ない。

最後に、3. の手段。
これは、そのまま適用できるだろう。
しかしながら、SAN Boot 環境となると、それなりの初期投資が必要となることから、適用可能なプロジェクトは限られるものと思われる。


災害対策用として、バックアップメディアを複数用意していた場合(テープの遠隔地保存等)はどうか。

この場合は、USB HDDの利用も大きな選択肢となるのではないか。もちろん、内蔵HDDに保存したスナップショットを、リートシステムに転送するという手段も考えられる。が、転送先にもZFSを利用可能なシステムが必要となり、初期投資がネックになると考えられる。
ただし、スナップショットを保存するためのシステムと考えず、通常時は試験環境として利用し、災害発生時は代替システムとして本番運用に利用するという用い方には適しているのではないだろうか。


ufssump/ufsrestoreを用いたバックアップ・リストアと比較し、選択肢が増えたと言えるが、適材適所での提案が必要になると言うことだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿